「うちの家族を見てよ。私が太ってるのもわかるでしょ、遺伝よ、遺伝」「太る体質」という主張を強化するためにも使われるのが、この「遺伝だからしょうがない」というセリフです。たしかに、太っている人の家族を見ると、お父さんもお母さんも兄弟も、イヌまで太っています。イヌまで?そう、こんな家族と一緒に暮らしていると、飼っているイヌまで太ってしまうのです。何しろ、こういう家のお母さんは食べることが大好きで、好物は中華料理やイタリア料理など、こってりした油っこいものばかり。お菓子や果物も大好きで、子供たちにもせっせと食べさせます。そして、お父さんは出不精です。たまの休みには家でゴロゴロ、ソフアにはりついてテレビ三昧です。子供たちはといえば、お菓子を食べながらファミコン。夜更かししてはいつもストックされているカップラーメンに手を出す。こんな生活をしていて、太らずにいることができるでしょうか?ほんとうにこの家の人たちは、遺伝で太っているのでしょうか?この家でイヌまでが太っているのは、家族全員が太っているのと同じ理由、つまりカロリーの高い食事と過剰な間食、運動不足といったライフスタイルのためです。おそらくイヌも、散歩にも連れていってもらえず、お母さんからカロリーたっぷりの残飯を与えられて、太ってしまったのでしょう。遺伝のために太っている人は、全体の3割程度に過ぎません。その3割にしたって、「必ず太る」というわけではなく、「太りやすい環境にいると、遺伝的要因を持たない人よりも太る可能性が高い」という程度なのです。太りにくい環境のもとで育てば、遺伝があったとしても太ったりしないのです。この「遺伝だから」という殺し文句も、どうやら「体質だから」というセリフ同様、便利に使われているようです。しかし、いつまでもそんなセリフで逃げていては、美しくなるチャンスをみすみす逃しているようなものですよ。あなたに仮に遺伝的要因があって、太りやすいから太っているのだとしても、ヤセない理由というのはありません。