特に不満を感じることはなかった

2011.09.12

キイを捻るとエンジンは即座に目覚め、あの頃までのゴルフ系の特徴だった振幅の大きいアイドリング振動を、無遠慮にフロアに伝えてくる。で、4段ATの短いセレクトレバーをDレンジに送ってスロットルを踏み込むと、ヴェントGLiはグイッという感じで走り出した。当時のゴルフ系の美点のひとつに、エンジンのトルク特性のよさがあった。ロングストロークなエンジンは、ほとんどアイドリング近い低回転から太くて有効なトルクを捻り出す。それに加えて、この時代からVW自社開発製品を搭載するようになったATは、適度なトルコンスリップを許すタイプだから、踏むと同時にスペックから想像するよりずっと活発な発進加速が手に入る。一方でこのATは当時、市街地を走ると自動的なシフトアップおよびダウンのタイミングが日本の都市部の運転パターンにマッチしないという批判を浴びたものだったが、今回のように箱根山中とその周辺の道路を走るだけの状況では、その点に特に不満を感じることはなかった。

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