世界的な経済不況のなかですべてが絶好調のアメリカ。しかし約一〇年前には、現在の日本と同様に経済は破綻寸前で、銀行は巨額の不良債権を抱え込んでいました。八〇年代のアメリカには日本の護送船団方式のような、銀行業界でお互い助け合う考えが主流だったのです。しかし問題が深刻化したときに政府が「米連邦預金保険公社改善法」を定め金融行政を転換、銀行総資産に占める自己資本比率が基準を下回ると業務の改善や停止を命じる「早期是正措置」を適用するようにしました。
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たまたま金融ビッグバンで日本の銀行も自己資本比率の引き上げを迫られ、それが貸し渋りに繋がっているのですが、もともとはアメリカの金融業界改善策だったのです。アメリカではいまの日本と同様の状況が出てきた時に、政府も銀行業界も素早く対応して、アメリカの大手銀行は結局不良債権を抱えながら破綻しなかったのですが、日本の場合は、バブル崩壊から七年近くも経つのに、いまだに不良債権の問題を抱え、本格的な処理はこれからという状態です。アメリカでは九〇年代はじめ金融安定のためにブリッジバンクを設立し、膨大な不良債権を取り引きする市場をつくりだしました。まずバブル崩壊後の担保不動産の本当の価値を見直し、SPC(特別目的会社)を使った債権の証券化という手法も編み出しました。