一日に6着しか生産しないレザー・ブランドって?

2011.05.26

ブランド品がこれだけ巷にあふれているのは、半分はイメージ戦略で、一定のイメージづくりに成功すれば、それが経営を安定させるからだというのが、経済学から見たブランドの意義である。とするならば、この「LANGLITZLEATHERS」(ラングリッツ・レザーズ)は品質という点では、レザージャケットに関してまちがいなく世界一のブランドなのだが、経済学的には、まったくブランド品とは別の道を歩いている。原料の皮を厳選し、フィット感を大切にするため型紙をていねいにとり、また、縫製もポケット、ジッパー、ボタンにいたるまで細心の注意を払うために、一日にたった6着しか生産できないというのだから、売れても経営の安定どころではない。予約は1年近く先までびっしり入るほどの人気ぶりで、つくりさえすればいくらでも売れるはずだが、たとえ納期が遅れても、納得のいく製品でなければ送りださない。こんなブランドになったのも、創業者のロス・ラングリッツ自身が、レザージャケットの着心地にこだわるライダーだったからである。彼はもとはハーレー・ダビッドソンの機械工だった。戦争中に覚えた革手袋の縫製技術で、自分用にライダージャケットをつくったのが最初。それをライダー仲間にほめられ、ひとり、ふたりとつくってやっているうちに、本業になってしまったというわけなのだ。1947年からひとりで工房を開き、ファミリー企業としてつづけてきた結果が、現在のラングリッツレザーズのスタイルになっている。